「のぜ伸びないのか。」 膝伸展の制限因子①

理学療法

こんにちは!バク転PTです!

皆さん、術前でも術後でも

セラピストでない方は日常生活でも

「膝がまっすぐ伸びない」「伸ばすと痛い」

こういった悩みがある方いらっしゃいませんか?

そこで今回は膝関節の「伸展」制限因子について、私の体験を踏まえて紹介していきます!

評価のやり方

ここからは私、バク転PTが普段からやっている膝関節伸展制限因子の評価を紹介していきます。

まずは「押し込む

これです。

押し込んだ時に患者さんがどの部分を痛がるか、または伸ばされている感じがすると訴えるか、ここを詳細に聞いていきます。

エンドフィールで感じ取ることも素晴らしいとは思いますが、聴くのが一番手っ取り早いと思います。

押し込んだ時の訴えが、前面なのか後面なのか側面なのか。

また、前面に訴えがあるのであれば、膝蓋骨より上なのか下なのか

後面に訴えがあるのであればそれは大腿骨側なのか脛骨側なのか、それとも膝窩なのか。

膝窩であれば真裏なのか外側なのか内側なのか。

これを聴取することで、「どこの組織」に制限を感じているのかを予測することができます。

膝蓋骨上方の制限因子

押し込んだ際に、「お仕込んだ場所(膝蓋骨上方)が痛い」と訴えた方は、

膝蓋上嚢」が制限因子になっている可能性が高いです。

膝蓋上嚢とは

膝蓋上嚢(しつがいじょうのう、suprapatellar bursa)は、膝関節の前部に位置する滑液包の一種です。膝蓋骨(膝のお皿)と大腿骨(もも骨)の間にあり、膝を滑らかに動かすための潤滑液を含んでいます。

解剖学的役割:

摩擦を減少させ、膝関節の動きをスムーズに保ちます。

膝関節の前面に位置し、膝蓋骨の上方に広がっています。

筋肉や腱、靭帯が擦れ合わないようにするクッションとして働きます。

外傷後・術後に生じる関節内腫脹や、クリニカルパスによる膝関節の伸展位固定、組織の繊維化が原因で膝蓋骨上方組織の滑走障害が生じます。

膝蓋骨上方組織の滑走障害が生じると、膝蓋骨の可動性が低下し、大腿四頭筋の筋出力が低下すると考えられます。

また、膝蓋上嚢は膝関節屈曲91±4°以降で二重膜構造になると報告されており、広範囲に動く組織であると考えられます。

みなさんお気づきのように、「膝蓋上嚢」これは伸展制限因子にも屈曲制限因子にもなりうる可能性があると言うことです!

なので、この「膝蓋上嚢」の滑走障害を改善することがとても重要です!

そこで、「押し込んでお皿の上が痛いだけで本当に膝蓋上嚢なの?」

と言う意見が出てくると思います。

膝蓋上嚢のアプローチ方法の前に、徒手的な滑走評価について説明していきます!

やり方は「4方向に直接指で滑らせる」これだけです。

  • 上方・内側へ滑らせる
  • 内側・下方へ滑らせる
  • 上方・外速へ滑らせる
  • 外側・下方へ滑らせる

これでどの方向に滑ることができていないかを評価します。

この評価をしてしっかりと滑走できていれば、膝蓋上嚢ではない別の組織(大腿前脂肪帯や膝蓋上脂肪帯など)を疑い、また評価していきます。

アプローチ方法

膝蓋上嚢へのアプローチにおいては、中間広筋や膝関節筋のような深層にある筋肉の収縮による引き上げが効果的です。

この時は膝窩にタオルなどを置いて膝関節軽度屈曲位にし、自動介助運動で収縮を誘導します。

徒手的操作では皮膚・筋を介して圧迫しながら回転させ拡大させていきます。

また、大腿四頭筋と骨との間を広げるように持ち上げ操作を行うことでも膝蓋上嚢の滑走性が向上します。

終わりに

今回は膝関節伸展制限因子の1つ「膝蓋上嚢」の評価・アプローチについて解説しました。

当てはまる患者さんがいればぜひ試してみて下さい!

患者様の膝が伸びるように願っています!

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