「なぜ伸びないのか。」膝伸展の制限因子③

理学療法

こんにちは!バク転PTです!

今回は前回お話ししたように、「膝蓋下脂肪体へのアプローチ方法」について解説します!

何度も繰り返しますが、膝蓋下脂肪体は膝関節伸展制限因子としてかなり多いです。

今回の記事を最後まで読んで、膝蓋下脂肪体の治療ができるようになると膝関節伸展制限の改善できる確率がかなり高くなると思いますよ!

具体的なアプローチ方法

膝蓋下脂肪体では、「膝蓋骨尖部」を持ち上げるように多動的に動かして柔軟性の改善を図っていきます。

ここで大切なのは膝蓋骨の動く方向です。

上下左右ではなく「浮き上がり(tilt)」の動きを出していきます。

膝蓋下脂肪体の柔軟性が低下していると、膝蓋骨底部を前面から押し込んだときに尖部の浮き上がり量が少なく感じるはずです。

これを他動的にどんどん出していきます。

また、膝蓋骨の下制とともに膝蓋腱を緩ませて、緩ませた状態で膝蓋下脂肪体を左右方向に他動的に動かして柔軟性を改善させる方法もあります。

他動だけでなく自動・自動介助運動も

膝蓋腱と脛骨の間には「深膝蓋下滑液包」というものがあり、ここが炎症後に癒着すると膝蓋下脂肪体の移動が制限されます。

滑液包に対して膝蓋下脂肪体の圧迫と膝蓋骨を下制した位置から、自動伸展・膝蓋骨を開放することで、膝蓋腱が脛骨より剥がれるように前方移動する。この繰り返しにより、深膝蓋下滑液包部の癒着を改善させ、膝蓋下脂肪体の移動量を増加させていきます。

回旋にも着目!

今までは前後・上下・左右の観点から解説していましたが、膝関節を見るにあたって着目すべきであるのが「回旋」です。

特に、膝関節「過外旋」これを伴っている人は膝関節痛を訴える人が多い印象です。

ここでいう「膝関節過外旋」は大腿骨に対して脛骨が過度に外旋している(膝蓋骨外側縁より外側に脛骨粗面が位置している)という意味で捉えてください。

膝関節の過外旋を伴っていると、膝蓋下脂肪体の柔軟性が正常であっても、移動経路が狭くなるため、摩擦負荷が正常よりも大きくなります。

そのため、膝関節過外旋を改善して膝蓋下脂肪体の移動経路を広げることが重要になります。

過外旋に対する具体的なアプローチ方法

膝関節過外旋を伴う症例に対して行うのが「反対方向への回旋エクササイズ」です。

下腿を外側から把持して、つま先を内側に向けながら徒手的に内旋を加えます。

さらに、大腿骨を外旋方向に誘導して、この状態を維持しながら、膝関節のセッティングと軽度屈曲を繰り返します。

これを繰り返すことにより、膝関節過外旋が少しずつ改善されていくはずです!

終わりに

今回は「膝蓋下脂肪体」に対するアプローチ方法について解説しました。

膝蓋下脂肪体は膝関節伸展制限因子の一部でしかないので、評価して治療してみて、変化が見られなければ、再評価という形でしっかり理学療法プロセスを実行してくださいね!

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