「なぜ伸びないのか。」膝伸展の制限因子②

理学療法

こんにちは!バク転PTです!

前回は膝蓋骨上方組織の伸展制限因子「膝蓋上嚢」について解説しました。

今回は膝蓋骨下方組織の伸展制限因子について解説していきます!

原因No,1 膝蓋下脂肪体

膝蓋骨下方での膝関節伸展制限因子として一番多く挙げられるのが

みなさんご存知「膝蓋下脂肪体(IFP)」です!

膝蓋下脂肪体(IFP)は、膝の安定性と動きの重要な要素です。この脂肪体は、膝の関節を保護し、衝撃を吸収する役割を果たしています。また、筋肉や靭帯と一緒に働いて、膝の安定性を高めることにも寄与しています。

変形性膝関節症の方や、関節鏡手術後の方はこの脂肪体が癒着・繊維化して柔軟性や滑走性が低下していることが多いです。

評価のやり方

まずは筋収縮の影響を無くしたいので、仰向けでリラックスした状態を取らせましょう。

膝伸展位でリラックスできている状態を作ったら、「Hoffatest」を実施します。

Hoffatestのやり方

1.膝蓋腱の内側または外側を圧迫します。

2.膝関節を屈曲位から伸展位に動かし、痛みを誘発させます。

膝が真っ直ぐの状態では脂肪体が膝のお皿の下にあるため痛みがありますが、膝を曲げると膝のお皿の中に脂肪体が入るため痛みがなくなります。特に、膝伸展の終末期に痛みが誘発されやすいと言われています。

Hoffatestが陽性であれば膝蓋下脂肪体が制限因子である可能性が高いです。

また、大腿四頭筋の筋収縮力不良による膝蓋下脂肪体滑走不全も伸展制限因子として考えられます。

そのような場合は「VMOtest」を実施します。

VMO:内側広筋斜走線維のことです。

膝蓋骨から45−50°の方向に走っており、最大収縮時にこのVMOを指で押し込みます。

指が押し込めないくらい筋硬度が高ければ陰性です。

ぷにっと押し込めるのであれば、VMOの出力不足であり陽性になります。

陰性の場合、出力が不足しているため膝蓋下脂肪体の滑走障害を起こしている可能性があると考えられます。

もう1つ、評価方法として「extension lag」の有無です。

lagがあるだけでも大腿四頭筋の出力が不足していると考えられるのですが、もう少し質の高いお話をします。

ズバリ見るべきところは「膝蓋腱の張力」です。

膝蓋腱の内外側に指を当て、SLRをした際の張力の左右差を確認します。

例えば、内側に張りを感じることができなければ、内側膝蓋支帯縦走線維の張力不足であると考えられる。=内側広筋の出力不足によるextension lagであると考えられる。

というように評価することができます!

終わりに

今回は膝蓋骨下方組織の膝関節伸展制限因子を解説しました!

アプローチ方法については次回お話ししますね!

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